井田幸昌とはどんな画家?作品の価格や世界観、彫刻家の父について幅広く解説

2022/11/18 ブログ

井田幸昌とはどんな画家?作品の価格や世界観、彫刻家の父について幅広く解説

井田幸昌

 

井田幸昌は、近年海外のオークションにて作品が高額で落札されたり、作品が宇宙に収蔵されたりと大変話題の尽きない注目の若手アーティストです。2019(令和元)年と2020(令和2)年に油彩画をもとにしたポスターを抽選で限定販売したときには多くのファンが参加し、高倍率な抽選となりました。

 

今回は、人気俳優の三浦春馬とも親しくしていたことで知られる井田幸昌の代表作品や作品の価格について解説します。

 

 

 

井田幸昌の略歴

 

井田幸昌は芸術の道を順風満帆に歩んできたわけではありません。ここでは、挫折を経験しながらひたむきに自らの絵と向き合い、ついには海外からも評価される人気アーティストになるまでの井田幸昌の歩みを紹介します。

 

 

 

1990年:鳥取県に生まれ、彫刻家の井田勝己の子としてアートに親しみながら育つ

 

1990(平成2)年、井田幸昌は鳥取県に生まれました。父親は彫刻家の井田勝己で、仕事柄海外に行っていることも多かったようです。父の影響から井田幸昌の周りには幼いころからアートが身近にありました。

 

絵を描いたり創作活動を行うのが大好きであった井田幸昌は高校生のときに父からのすすめで油彩画と出会い、いつしか美術の道に進みたいと思うようになります。

 

 

 

2012年頃~2019年:東京藝術大学へ入学後、在学中から国内外で個展を開催

 

東京藝術大学美術学部正門

出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 

井田幸昌は東京藝術大学の受験に何度も失敗し、1度は石屋に就職したこともありました。しかし、芸術の道を諦めることができず、再度挑戦した結果、4度目の受験で合格することができました。

 

大学院へと進んだ井田幸昌は、在学中から個展やグループ展などを積極的に開催し、2016(平成28)年には現代芸術振興財団が主催する学生対象アートコンペ「CAF賞」で審査員特別賞(名和晃平賞)を受賞しています。

 

2017(平成29)年には井田幸昌がメンターとして慕っていた父の友人で彫刻家のロバート・シンドロフの墓参りとしてニューヨークに赴きました。そのまま3ヶ月ほど滞在し、アメリカのアート市場から大きな刺激を受けます。この経験は同年の株式会社IDA Studioの設立へとつながります。

2019(令和元)年、井田幸昌は東京藝術大学大学院油画を修了しました。

 

 

 

2021年:アートディーラーのマリアン・イブラヒムと提携し活動の幅を広げる

 

井田幸昌は、2020(令和2)年に在学中から手がけていた大作『箱庭 -創造的な寓意- 』を完成させます。翌2021(令和3)年にはフランス人アートディーラーのマリアン・イブラヒム(Mariane Ibrahim)とパートナーシップを組み、その後は個展「Here and Now」やグループ展「J'AI DEUX AMOURS...ARCHITECTURAL DIGEST」の開催を経て、世界中のアートフェアに参加しました。

 

また、2022(令和4)年4月にはスペインのMuseo Casa Natal Picasso(ピカソ生誕地ミュージアム)でアジア人初の展覧会「Yukimasa Ida visits Pablo Picasso」を開催し、大いに話題になります。

 

 

 

2023年(予定):国内初の美術館個展「井田幸昌|パンタ・レイ―世界が存在する限り」を鳥取と京都で開催

 

2023(令和5)年、井田幸昌の個展「井田幸昌|パンタ・レイ―世界が存在する限り」の開催が鳥取県と京都府で予定されています。井田幸昌の故郷である鳥取県の米子市美術館では7月22 日、京都府の京都市京セラ美術館では9月30日から始まります。

 

古代ギリシアの哲学者であるヘラクレイトスの言葉「パンタ・レイ(万物は流転する)」を用いたタイトルには、これまでのキャリアの集大成となり、新しい始まりにもなる展覧会にしたいという思いが込められました。

 

展覧会の開始に先立ち、2022(令和4)年の10月16日からは渋谷のスクランブル交差点に「絵なんてわかってたまるか」という井田幸昌のメッセージの描かれた2枚の広告が、大きく掲げられました。

 

「わからないものだからこそおもしろい」という井田幸昌の芸術に対する熱い思いが込められたメッセージには、キックボクサーの江幡睦(えばたむつき)、俳優の山田孝之、漫画家の真鍋昌平など多くの著名人が賛同しています。

 

*IDA STUDIO / NEWS / 国内初の美術館個展が開催決定〜2023年鳥取展・京都展

 

 

 

井田幸昌の作品の世界観

 

 

 

「一期一会」をテーマに作品を制作する井田幸昌の画業は、身近な人々との出会いの瞬間を描きたいという気持ちが出発点でした。そのため井田幸昌は「人間」をモチーフとした作品を多く制作しています。ちなみに、「一期一会」というテーマはかつて石屋に就職していた時の親方の言葉「人生一度きりだ」に由来しているそうです。

 

数ある作品の中でも特に有名なのは、アンディ・ウォーホルなどその時代に一世を風靡した人物を描く「Portrait」シリーズや、自らの心象風景や身近に存在する無名の人々を描く「The end of today」シリーズです。井田幸昌の作品の多くはペインティングナイフを使った独特の荒いタッチで描かれる油彩画ですが、近年は制作の幅を広げて立体作品やシルクスクリーンの作品も手がけており、目が離せません。

 

「わかってしまったその日にはきっと描く理由を失うだろう。わからないから、楽しいんだ。」と井田幸昌は言います。井田幸昌は今後も自らの芸術を追い求め、新たな表現に挑戦し続けることでしょう。井田幸昌の作品はIDA Studioの公式HPからも観ることができます。

 

IDA Studioの公式HPはこちら

 

 

 

井田幸昌の代表作品を解説

 

次に、井田幸昌の作品のなかでも特に有名な代表作品について紹介します。

 

 

 

箱庭 -創造的な寓意-

 

『箱庭 -創造的な寓意-』は井田幸昌が2020(令和2)年に完成させた、350cm×1092cmの大型油彩作品です。井田幸昌はこの作品のために約3年の月日を費やし、20代の集大成としました。『箱庭 -創造的な寓意-』は美術出版の作品集『YUKIMASA IDA: Crystallization』にも掲載されています。

 

井田幸昌は、クールベの『画家のアトリエ』から着想を得てこの作品を制作し、死者の世界と生者の世界を表現しました。未来を意味する真っ白いキャンバスに今にも筆を入れようとしている画面中央に描かれた画家は、井田幸昌自身を表現しています。

 

*IDA STUDIO / WORKS / Paintings / 箱庭 -創造的な寓意-

 

 

 

「The end of today」シリーズ

 

「The end of today」は井田幸昌が自身の心象風景や、日々の生活で出会った無名の人々を出会ったその日のうちに描いたシリーズです。井田幸昌の暮らしが垣間見える、ある種「絵日記」のような魅力を持つシリーズといえるでしょう。2017年から2020年には特に多く制作しており、人物をモチーフとした作品だけでなく抽象的な作品も含まれます。

 

*IDA STUDIO / WORKS / END OF TODAY SERIES

 

 

 

「Portrait」シリーズ

 

井田幸昌の「Portrait」シリーズは、その時代を代表する象徴的な人物をモチーフとして取り上げた作品群です。作品の中には世界中のさまざまな著名人が描かれていますが、なかでも2019年に制作したアンディ・ウォーホル、パブロ・ピカソ、ジャン=ミシェル・バスキアといったアーティストを描いた作品は広く知られています。

 

*IDA STUDIO / WORKS / Paintings / Andy Warhol no.2
*IDA STUDIO / WORKS / Paintings / Picasso

*IDA STUDIO / WORKS / Paintings / Jean-Michel Basquiat no.6

 

 

 

三浦春馬を描いたとされる絵画作品

 

三浦春馬(台湾でのファンミーティングにて)

出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 

井田幸昌は2020(令和2)年の7月18日にこの世を去った俳優の三浦春馬とも交流がありました。一緒に食事に行ったり、三浦春馬が井田幸昌の個展を訪れたりしたこともあったそうです。井田幸昌は、三浦春馬が亡くなった翌日の2020年7月19日に、彼を偲んで描いた絵を自身のインスタグラムに掲載しています。

*Instagram / yukimasaida

 

 

 

ディオールとのコラボレートで「レディ ディオール」というバッグも販売

 

「レディ ディオール」とは、ダイアナ元妃が愛用していたことでも知られる高級ファッションブランド・ディオール(DIOR)のアイコンバックです。ディオールはこのレディ ディオールを世界中のアーティストとコラボレーションさせるプロジェクト「DIOR LADY ART」をこれまでに何度か開催してきました。

 

井田幸昌も2021(令和3)年に行なわれたDIOR LADY ARTの第6弾に参加しており、バッグをキャンバスのように見立てて白、黒、赤、黄色などで彩ったレディ ディオールを制作しています。このバッグは参考価格913,000円という高額のコラボアイテムとして公開されました。

 

*Instagram / yukimasaida

 

 

 

井田幸昌の作品の落札価格とその価値について

 

出典元:Pixabay

 

 

 

井田幸昌の名前は国内のみならず海外においても広く知られており、そのファンは世界中に存在します。そこで、海外のオークションで高値で落札された井田幸昌の作品を紹介します。

 

 

 

2021年:King of Rock|約3,900万円

 

2021(令和3)年、サザビーズが台湾の人気アーティストでアートコレクターでもあるジェイ・チョウと共催し、オークション「JAY CHOU x SOTHEBY'S」を開催しました。このオークションでは、井田幸昌の『King of Rock』という作品が予想落札価格の3倍以上にもなる約3,900万円で落札されています。

 

『King of Rock』は井田幸昌が2021年に制作した194cm×162cmの油彩画で、アメリカのロック歌手エルヴィス・プレスリーが描かれています。

 

*Sotheby's / Yukimasa Ida / King of Rock

 

 

 

2021年:Tears|約830万円

 

同じく2021年、井田幸昌の『Tears』がサザビーズのオークションにおいて、予想落札価格の4倍に近い約830万円で落札されました。『Tears』は井田幸昌が2017(平成29)年に制作した30cm×25cmの油彩画です。

 

*Sotheby's / Yukimasa Ida / Tears

 

 

 

井田幸昌の作品の買取相場

 

井田幸昌は、近年海外でも高い評価を得ている人気の現代アーティストです。油彩画を多く制作していますが、市場に出回っている作品の多くは版画作品です。

 

井田幸昌の版画は、作品の状態やどれほど人気がある作品なのかにもよりますが、大体数十万円程度での買取となる場合が多いでしょう。市場価格を鑑みて総合的に判断します。お気軽にご相談ください。

 

 

 

井田幸昌に関する豆知識(トリビア)

 

最後に、井田幸昌に関する興味深い豆知識を二つご紹介します。

 

 

 

井田幸昌の父親の井田勝己は、鳥取県米子市を「彫刻のあるまち」にするために尽力した有名な彫刻家

 

先述の通り、井田幸昌の父親である井田勝己は彫刻家でした。2022(令和4)年3月まで長らく東京造形大学の教授を務め、1995(平成7)年には山口県で行われた第16回現代日本彫刻展(現在のUBEビエンナーレ)で大賞(宇部市賞)を受賞したこともあります。

 

井田勝己は、1988(平成10)年より始まった鳥取県米子市の彫刻シンポジウムの発案者の一人でもあり、2006(平成18)年まで同シンポジウムを主導しました。米子市を「彫刻のあるまち」にするために尽力したことで知られる井田勝己は、教授の職を引退した現在、故郷の米子で精力的に作品制作に励んでいます。

 

*山陰中央新報デジタル / 彫刻のまちで恩返し個展 米子

 

 

 

井田幸昌の『End of today – L’Atelier du peintre -』は国際宇宙ステーションに設置されている

 

ISSに滞在中の前澤友作

出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 

2021(令和3)年12月、株式会社ZOZOの元社長であり実業家の前澤友作が、日本の民間人としては初めてSS(国際宇宙ステーション)に滞在する宇宙旅行を行ったことをご存知の方も多いでしょう。実はこのときに、前澤友作は井田幸昌の作品『End of today – L’Atelier du peintre -(画家のアトリエ)』をISSに贈っています。

 

『End of today – L’Atelier du peintre -』は初めて宇宙に収蔵された作品として、大きな注目を集めました。

 

*IDA STUDIO / NEWS / Hanging Artwork in the ISS

 

 

 

井田幸昌の作品は強化買取中

 

井田幸昌の作品について、売却を検討している方は株式会社獏にご相談ください。丁寧に鑑定させていただきます。

 

また、鑑定経験が豊富な美術品買取専門店である当社では、ご希望により簡単・手軽・便利のすべてを実現したLINE査定も可能です。

 

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