草間彌生とはどんな芸術家?作品の世界観や代表作かぼちゃの買取価格について徹底解説

2021/12/27 ブログ
草間彌生_南瓜

草間彌生は、水玉模様や網目模様を使った特徴的な作風で知られている、長野県生まれの芸術家です。「前衛の女王」としても有名で、村上隆奈良美智と共にその存在を知らない人はいないと言ってもよいほど日本の現代アートを牽引する存在です。

 

草間彌生は、病による苦しみを昇華させて独自の世界観を作り上げました。草間彌生の作品には「かわいらしさ」と「あやしさ」が同居する独特の魅力があり、現在もその価値は上がり続けています。 今回は、草間彌生の生涯や作品の魅力、買い取り価格などについて幅広く紹介します。

 

 

出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

草間彌生の略歴

 

草間彌生は、1929年(昭和4年)長野県の松本市に生まれました。種苗業を営む裕福な家に生まれましたが、幼いころから不思議な幻聴や幻覚をともなう心の病に苦しめられていたといいます。10歳頃には、すでに水玉や網目模様をモチーフとした幻想的な絵画を描いていました。

 

日本画家の日比野霞径(ひびのかけい)に才能を見出されて日本画の指導を受けるようになった草間彌生は、1948年(昭和23年)に京都市立美術工芸学校の最終過程に編入学。しかし草間彌生の湧き上がるインスピレーションは、日本画の枠には収まりきりませんでした。

 

 

1952年:松本市で初の個展を開催する

 

1952年(昭和27年)、当時23歳の草間彌生は故郷の松本市にある松本市公民館で初の個展を開催しました。この個展には200点を越える油彩画や水彩画などが出品され、会場を訪れた人はその作品数に圧倒されたといいます。

 

ここでの出会いは、後の東京での個展の足がかりとなりました。また、個展を訪れた信州大学の精神科教授、西丸四方(にしまるしほう)は、草間彌生に主治医的な助言をする存在となっていきました。

 

 

1998年:「ラブ・フォーエバー: 草間彌生 1958~1968」にて世界的人気を獲得

 

「ラブ・フォーエバー: 草間彌生 1958~1968」とは、草間彌生のニューヨーク時代を振り返って行われた大回顧展です。

 

草間彌生は、1957年(昭和32年)28歳のときに渡米しました。そこから1973年(昭和48年)に帰国するまでの約16年をアメリカで過ごします。アメリカでの草間彌生の活躍は絵画だけにとどまらず、彫刻、映画、新聞などさまざまな分野に及びます。また、芸術活動を通じた反戦運動にも積極的に参加しました。数々の賞を受賞し、「前衛の女王」と呼ばれるようになったのもこの頃です。

 

「ラブ・フォーエバー: 草間彌生 1958~1968」は、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムを皮切りにニューヨーク近代美術館、ウォーカーアートセンター、東京都現代美術館を巡回し、多くの観客が訪れ話題となりました。

 

 

2009年:大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」をスタート

 

草間彌生が2009年(平成21年)から取り組んでいる「わが永遠の魂」は、大型の絵画シリーズです。自らの画業の集大成となるこのシリーズの制作に、草間彌生は精力的に挑んでいます。

 

2017年(平成29年)には、国立新美術館開館10周年の企画展として「草間彌生 わが永遠の魂」が開催されます。この展覧会では「わが永遠の魂」シリーズの中から日本初公開の130点を厳選して展示し、さらに草間彌生の芸術家としての歩みをたどれる構成となっていました。

 

カラフルな作品に壁一面を埋め尽くされた会場には52万人を超える来場者が集まり、「草間彌生 わが永遠の魂」は大盛況のうちに幕を閉じました。草間彌生の大規模展覧会は、近年世界中で行われています。

 

 

草間彌生の作品の世界観

 

草間彌生の作品には、網目模様や水玉模様を使った作品が多く存在します。ひとつのパターンを繰り返し用いて画面を埋め尽くすことで、草間彌生はその作品の中に「無限」や「永遠」を表現しました。

 

このような網目模様や水玉模様は、草間彌生を幼い頃から悩ませている幻覚から生まれたと言われています。視界が網目模様や水玉模様におおわれる幻覚は、彼女が患う心の病によってもたらされました。草間彌生は、その幻覚の内容を記録することで恐怖心に立ち向かい、乗り越えてきたのだそうです。

 

網目模様を使っている代表的な作品が、アメリカ時代に制作した『無限の網』です。この作品では、大きなキャンバスに、弧を描くようなタッチで網目がびっしり描かれています。また、水玉模様も絵画や彫刻作品などのあらゆる作品に、いろいろな色の組み合わせで用いられます。

 

 

草間彌生の代表作

 

草間彌生が好んで用いたモチーフには、かぼちゃ、ハイヒール、帽子などがあり、これらのモチーフはさまざまな作品に登場します。それでは、かぼちゃ、ハイヒール、帽子を用いた作品の中から草間彌生の代表作品を紹介します。

 

 

かぼちゃ

出典元:ウィキメディア・コモンズ

 

かぼちゃは草間彌生の代名詞といえるほどによく取り上げられるモチーフです。かぼちゃの持つ形から「精神的力強さ」を感じ取った草間彌生にとって、かぼちゃは自分に安心感を与えてくれる存在だったのでしょう。かぼちゃは絵画作品や立体作品などで広く用いられています。

 

福岡市美術館や瀬戸内海の直島に設置されている、水玉模様で埋め尽くされた巨大な『南瓜』は特に有名です。

 

 

ハイヒール

 

草間彌生の作品には「靴」もしばしば登場しますが、なかでも「ハイヒール」は草間彌生にとって重要なモチーフでした。

 

女性の自立を象徴するハイヒールが初めに登場したのは、1983年のアクリル画です。その後、立体作品にも用いられるようになりました。鹿児島県にある霧島アートの森のホールには巨大なハイヒールの立体作品があり、強烈な存在感を放っています。

 

 

帽子

 

「帽子」も草間彌生が愛したモチーフのうちのひとつです。強化プラスチックでできた立体作品や、リトグラフ、シルクスクリーン、コラージュなどの技法で作られた平面作品で用いられています。

 

網目模様や水玉模様で埋め尽くされたそれらの帽子は、ひと目で草間彌生の作品とわかる独特の雰囲気を持っています。

 

 

「草間彌生美術館」で作品の鑑賞が可能

出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

「草間彌生美術館」には、草間彌生の作品や草間彌生にまつわる資料を多く所蔵しています。草間彌生自身が2017年(平成29年)に設立し、一般財団法人草間彌生芸術財団が運営しています。

 

草間彌生の世界観にひたり、最新の作品を見ることもできる貴重な美術館。草間彌生美術館では展覧会や講演会を通して、草間彌生が作品に込める「世界平和と人間愛」を広く訴えます。

 

名称 草間彌生美術館
料金

一般1,100円/小中高生600円/未就学児無料

※団体料金なし

※チケットは来館当日の各入場時間30分前まで購入可能

開館日

木・金・土・日曜日および国民の祝日

※日時指定の完全予約・定員制(各回90分)

入場時間 予約時に確認
住所 〒162-0851 東京都新宿区弁天町107
電話番号 03-5273-1778
公式HP https://yayoikusamamuseum.jp/

 ※毎月1日10:00(日本時間)に翌々月分のチケット発売開始           

 ※美術館窓口でのチケット販売はしていません。

 

日本で草間彌生の作品が見られる美術館については、弊社サイトでも紹介しているのでぜひチェックしてみてください。

>>日本全国にある草間彌生の作品が展示されている美術館を紹介

 

デザイナーとしての草間彌生

 

草間彌生の才能は絵画や彫刻などにとどまらず、服飾の世界にも及んでいます。これらのファッションアイテムは、草間彌生のファンのみならず、草間彌生の作品に初めて出会った多くの人の心をも惹きつける強い力を持っています。

 

 

ヤヨイクサマコレクション - LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)

 

2012年(平成24年)に、草間彌生とルイ・ヴィトンのコラボレーション「LOUIS VUITTON × YAYOI KUSAMA Collection」が発表されました。さらに、伊勢丹新宿店本館には草間彌生の世界観を表現するようなおしゃれなポップアップショップがオープンし、大いに話題を呼びました。

 

当時の様子がYouTubeの「TokyoDive」というチャンネルで公開されています。道行く人の足を止めずにはいられないインパクトのあるディスプレイは、草間彌生ならではと言えるでしょう。

https://youtu.be/HTffw3VuCIM

 

嵐・大野智とのコラボTシャツ

 

2013年(平成25年)の夏に放送された『24時間テレビ36 愛は地球を救う』の企画で、草間彌生と嵐の大野智のコラボ作品としてチャリTシャツが制作されました。

 

大野智はアイドルとして活動しながらも、自らの個展を開くなど芸術活動も行っていることで知られています。草間彌生と大野智がお互いに意見を出し合って作られたチャリTシャツは、草間彌生の代名詞であるドットを花の形に置いてアレンジしたデザインで、背面には「LOVE FOREVER」とプリントされています。

 

 

草間彌生の作品の落札価格とその価値について

 

草間彌生の作品には根強いファンが存在し、近年より知名度も上がってきているため、その価格は非常に高くなっています。ここ10年で26倍にも値上がりした作品が存在するほどです。

 

2019年:「かぼちゃ」が10年で50万円から値上がり|1700万円

 

値上がりを続ける草間彌生の作品ですが、草間彌生の代名詞となっている「かぼちゃ」を描いた作品もその例にもれません。なかには10年間で50万円から1700万円にまでその価値が上がったものもあります。10年という短期間で約26倍も価値が上がるような例は、アート市場の中でも非常に珍しいと言えるでしょう。

 

草間彌生の「かぼちゃ」はファンの中でも人気が高く、比較的購入しやすいシルクスクリーンの作品でも高値で取引されています。

 

2021年:友人医師に贈った最初期作品11点が落札|17億円

 

2021年(令和3年)の5月12日、草間彌生が友人であり恩人でもあった故広瀬輝夫氏に贈った11点の作品が、計1,523万ドル(約17億円)で落札されました。これら11点は、草間彌生の起源を見ることができる貴重な初期の作品です。広瀬輝夫とは、草間彌生が親しくしていた友人で、医師でもありました。

 

オークションハウス・ボナムズで約17億円で落札されたこのコレクションの内容は、約5億円で落札された『untitled』、約4億円で落札された『Mississippi River』、約4億4,000万円で落札された『Hudson River』、それぞれ約3,300万円~5,500万円で落札されたドローイング8点です。

 

これらのコレクションは、事前の予想落札価格が約10億円であったにもかかわらず、実際には2倍近い17億円で落札されるという驚きの結果となりました。

 

2021年:「無限の網」と関連資料のNFTが落札|17.8億円

 

2021年(令和3年)7月24日、草間彌生の『無限の網』シリーズのうちの2点と関連するNFTが、オークションハウス「上海嘉禾」にて約17億8,000万円で落札されました。

 

本記事でも紹介した通り、『無限の網』とはアメリカ時代に制作した初期の代表的な作品です。大きなキャンバス描かれたこの作品は、アメリカで見たアクションペインティングの大画面の触発されたものだと言われています。

 

『無限の網』のシリーズがヒットしたことにより、草間彌生は経済的困窮から逃れることができました。『無限の網』は、草間彌生がアメリカでの前衛芸術家としての地位を築くきっかけとなった重要な作品でもあるのです。

 

 

なぜ草間彌生作品は人気で人々の心を惹きつけるのか

 

草間彌生の作品が人気である理由のひとつに、その作品の持つ強烈な魅力が挙げられます。草間彌生のアートの原点は、幻覚に苦しむ自分自身を癒すためのものでした。しかし草間彌生の視野はそこから大きな広がりを見せ、現在、草間彌生が作品に込めているメッセージは「世界平和と人間愛」だといわれています。

 

自らの苦しみを乗り越えて自分らしく生きるために戦い続ける草間彌生の芸術は、現代社会に生きる私たちの心に今もエールを送り続けています。人々の魂を救うべく芸術活動を続けている草間彌生の作品は、そのパッションで世界中のあらゆる世代の人々の心を惹きつけてやみません。

 

 

今後の草間彌生の作品の価格

 

アートの価値は、その作品自体が持っている魅力、希少性、アーティストの知名度という3つの要素が密接にかかわり合って決まります。なかでもアーティストの知名度は極めて変動が大きい要素と言えるでしょう。

 

近年、草間彌生の作品がオークションで立て続けに高値で落札されており、大きな話題となっています。また、草間彌生の大規模展覧会は近年世界中で行われていることから、草間彌生の知名度はこれからも高まっていくでしょう。

 

草間彌生の知名度が高まるにつれて、作品の価値はますます高騰し続けると予想されています。

 

 

草間彌生の作品は強化買取中

 

世界中に根強いファンが存在するのが前衛の女王「草間彌生」です。草間彌生の作品をご自宅にお持ちで、売却を検討している方がいらっしゃいましたらぜひ当社にご相談ください。丁寧に鑑定させていただきます。

 

また、鑑定経験が豊富な美術品買取専門店、株式会社獏では、ご希望により簡単・手軽・便利の全てを実現したLINE査定も可能です。

 

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