日本を代表する彫刻家三沢厚彦の代表作や略歴について解説
日本を代表する彫刻家三沢厚彦の代表作や略歴について解説
「ANIMALS」シリーズで有名な三沢厚彦。躍動感あふれる動物を彫刻にするなら、彼をおいて右に出る者はいません。常に動物たちの姿を追い求める作品を生み、展覧会や個展も開催しています。今回はアニマルズの作品や美術館での催し、グッズや豆知識にいたるまで、三沢厚彦のすべてを解説していきます。
三沢厚彦の略歴
生い立ちから彫刻家としての活躍まで、三沢厚彦の人生をご紹介していきます。
1961年:京都に生まれる
三沢は、京都府で育ちました。幼い頃から両親にともなわれ、京都や奈良の仏像に接します。それと同時に木の温もりや触れ合いを通し、自然を身近に感じていました。やがて彫刻の魅力に目覚め、彫刻家を志して東京藝術大学美術学部彫刻科へ入学。卒業したあと東京藝術大学大学院美術研究科へ進学し、修士課程彫刻専攻を修了しました。1992年から神奈川県へ移住した三沢は、台風が過ぎたあと海岸に流れ着いた流木や廃材から作品の着想を得ます。そして1994年から6年間、漂流物を組み合わせた「コロイドトンプ」シリーズを制作。1997年から、母校や武蔵野美術大学造形学部彫刻学科の非常勤講師に就任しました。
2000年:《Animals》シリーズの制作
同年、西村画廊における個展開催をきっかけとし、自らの原点である木彫彫刻へ回帰。2001年、第20回平櫛田中賞の受賞を皮切りに「Animal」や「ねこと小鳥」、「木彫・ドローイング」など、数多くの展覧会を開きます。2017年、東京都渋谷区にある松濤美術館で、「アニマルハウス謎の館」を開催。クスノキの丸太から彫り出した素材に油絵具で彩色し、実物大の動物たちを展示。彼は館の主として会場に居場所を設け、会期中も制作や展示を続けました。三沢は革新的なアイデアと造形で、木彫彫刻の動物たちに命を吹き込む。現在は、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科の特任教授としても教鞭を奮っています。
三沢厚彦の世界観
三沢厚彦はゾウやワニなどの動物をモチーフとし、クスノキの丸太で原寸大の木彫作品を制作します。自分が作りたいものを作る姿勢は、社会情勢や流行にとらわれません。見る人にさまざまな印象を与え、それを喜びとして楽しみながら仕上げる作品は細かいところまでリアル。生命力ある動物たちはユニークな表情を浮かべ、多くの人が思い描く空想世界から登場したような勢いさえ感じられるでしょう。
もちろん実在する動物だけでなくユニコーンやペガサス、フェニックスなど架空の動物も手がけます。それはまさに三沢ワールド。多次元な空間から現れた動物たちは、クラシカルな雰囲気を備えながらも現代とつながる。自分たちとはかけ離れた遠い世界の動物たちも、実は手の届くところにいる。そう思わせる彼の作品は堂々と目の前に存在し、空想世界と現在を結びます。
三沢厚彦の代表作品を解説
三沢厚彦と言えば「ANIMALS」シリーズが有名ですが、彫刻の他にも動物のリトグラフやドライポイントも手がけています。作品やドローイングを集めた画集も出版。ここでは、その一部の作品をご紹介します。
「クマ 白 / 立ち / 斜め」
「ANIMALS」シリーズのクマをモチーフにしたリトグラフ。中央に描かれたクマはデフォルメされ、個性に満ちた表情と愛嬌たっぷりの姿を見せています。周囲に筆試しや下描きを残したことで、臨場感ある質感を得られでしょう。リトグラフ用のクレヨンでスケッチされ、絵コンテのタッチもそのまま描写。右下に「Atsuhiko Misawa」の直筆サインがあり、スタイリッシュな作品として知られています。
「ドライポイント2020 - アマビエ(右)」
妖怪アマエビのリトグラフです。「ドライポイント」と呼ばれる技法を駆使し、統一されないラインで描かれた曲線は、アマエビの温もりや穏やかさとも出会えるでしょう。彫刻作品とは異なる柔らかさがあり、平面に存在しながらも身近に感じられるかもしれません。独特の風合いに、インパクトある姿が映し出されています。
「キメラ」
ギリシャ神話に登場する「キメラ」の彫刻作品です。キメラは1つの動物の中に、ライオン・ヤギ・ヘビが共存する空想上の生き物。ヒョウ柄の胴体からは翼、ライオンの頭に角が生えた姿は、異なる個性を持って生きる現代社会と通じるかもしれません。迫力あるこの作品は、それぞれ違う意思を持った人間が「共に生きる」という強いメッセージ性も伝えているでしょう。
三沢厚彦は毎年各地の美術館で展覧会が開催されている
2023年は、千葉美術館で展覧会が開催されました。会期は6月上旬~9月上旬。本展では「ANIMALS」シリーズのキメラやクマ、ウサギやネコなどの彫刻を展示。トラやキメラの油彩画も集められ、千葉市美術館すべてを展示会場とします。そのためエレベータホールや図書室、エントランスなど、通常では使われない場所にも作品が配置されました。これからも多角的なアプローチを試み、さまざまなアイデアを形にすると言われています。
三沢厚彦のグッズはどこで購入できるのか
三沢厚彦のグッズは、東京都美術館ミュージアムショップやオンラインストアで販売されています。そのため「遠くまで足を運べない」「自宅近くのお店に置かれてない」という場合も心配ありません。お気に入りの作品をモチーフにしたグッズが、気軽に楽しめます。
アート&デザイングッズのセレクトショップラムフロム
ラムフロムは、現代アートとデザインのセレクトショップです。「ANIMALS」シリーズの直営店として、エコバッグやアイロンワッペンを販売。アイベックス・キリン・ジブルテリア・ゾウ・コトリなど、ワンポイントとして使える缶バッジも並べられています。ラッピングのアクセントやファッションアイテムにおすすめ!ただし、子供から大人まで人気なので、気になるグッズは早めに申し込んでください。タイミングによっては売り切れてしまうため、次の入荷まで待つことになります。
東京都美術館ミュージアムショップ
アートなアイテムを集めたオンラインショップです。WEB限定のロールメモや缶バッジ、ワッペンや書籍を販売。すべてWEB限定なので、店頭には並びません。おすすめは、
幅7cm長さ4mのロールメモ。表面にシロクマやライオンなど、「ANIMALS」シリーズでお馴染みの動物がデザインされています。メモを書くのが「もったいない」と感じられるくらいの完成度。ミシン目も入っているので、アイデアを書き留めた欠片として保管できます。
海洋堂オンラインストア
海洋堂では、初めてフィギュア化された「ANIMALS」シリーズのトラを販売。高さ110mm、全長240mmのソフトビニール製で、ホワイト・ゴールド・ピンクの3色を展開しています。シリアルナンバーの入ったタグを付属しているので、手に入れたときからプレミアム感が満載かもしれません。黄色に間違われるゴールドは金色をベースとし、トラの腹部にホワイトパールをあしらいました。他にもタヌキやクマ、トリやゾウ、トラを含めたコレクション。ツキノワグマやスピリットベアをかたどった、フィギュアも並んでいます。
三沢厚彦の豆知識(トリビア)
ここからは、知る人ぞ知る三沢厚彦についての豆知識をご紹介します。大きく報じられていないので、現在の姿からは少し離れているかもしれませんが、着想の1つになったので確かめてみてください。
東京藝術大学ラグビー部に所属していた
彫刻家:三沢厚彦は東京藝術大学の学生時代、ラグビー部のフルバックでした。フルバックとは、チームの最後尾に位置するポジション。つまり守備での最終ラインです。ラグビーワールドカップの日本開催を記念し、ラグビーの魅力を伝えるイベントを行った際は、ラグビーボールをモチーフにした作品を披露しました。
セラミックと釉薬で仕上げたシロクマに、金色のボールを持たせて展示。闘志みなぎる口元と力強く開かれた目、躍動感あふれる作品として注目されます。応援プログラムの1つとして企画されたイベントですが、三沢厚彦の奥に眠る別の顔が見えたかもしれません。
三沢厚彦の作品は強化買取中
作品の査定は、専門業者へ任せましょう。三沢厚彦は彫刻や絵画など、数多くの作品を世に送り出しています。「保管が難しい」「価値を知りたい」という場合は、査定だけでもかまいません。買取金額をお伝えするので、気軽にお問合せください。
出張買取
「獏」では出張買取も行っております。電話・メール・LINEでのお問い合わせ後、査定スタッフが訪問し無料査定を行います。金額にご納得いただければ、その場で支払いが可能で、作品もお引き取り致します。1日でスムーズに完結し、ご希望であればお振込みも対応可能です。現住所が記載されている身分証明書が必要になりますのでご用意ください。
店頭買取
「獏」では持込での店頭買取も大歓迎です。予約制となっておりますので事前にご連絡の上、商品をお持ちください。査定スタッフが無料査定を行い、金額にご納得いただければその場でお支払いができます。とりあえず査定するだけでも構いません。現住所が記載されている身分証明書が必要になりますのでご用意ください。
郵送・宅配買取
遠方のお客様は郵送・宅配買取も可能です。電話・メール・LINEにて作品の詳細をお伝えください。無料査定後、ご納得いただければ必要書類をお送りしますのでご記入の上、着払いで郵送してください。到着後、コンディションを確認し最終的な査定額をお伝えいたします。金額にご納得頂ければ振込という流れになります。
まとめ
「三沢厚彦の作品を売却したい」「売るかどうか迷っている」。まだ検討中の方は、美術品買取専門店「獏」がご相談をお受けいたします。現役の三沢厚彦は、活躍するフィールドも広いです。そのためこれまでの実績や評価、作品の価値をしっかり見極め査定させてください。